生活の中の、仕事と家
北海道から就職のために上京してきて5年が経ちました。
最初は総武線沿線、急行停車駅の徒歩20分、築30年のアパートに住んでいました。
幹線道路近くの住宅地は夏の日差しが強く感じたもので、駅まで歩くうちに汗でシャツが濡れてしまいました。
それ以外にも不満な点はありましたが、やはり涼しい北海道からでてきて、東京のコンクリートの中で生活するには、体感的な暑さが一番、疲れにつながっているように感じていました。
それでも契約更新の2年後まではその街で過ごしました。
着々と住みたい街、涼しそうな町で都心まで通えるところを探していました。
目安をつけたのは千葉県。総武線で一応、一本で通えそうでした。
アパートの更新が迫った頃に、不動産を見に出かけはじめました。
駅前のアパートやマンションを見回し、道路事情などを想像しました。
業者の方に物件を見せていただく中で、どうにも魅力が感じられていない自分に気がつきました。
「思い切って、家を買ってはどうだろうか」という言葉が頭をよぎったのです。
町や生活環境、ということ以上に自分自身が身をゆだねられるもっと大きな安心感がほしかったのでした。
さっそくその旨を業者さんに伝え、中古の一戸建てを探し始めました。
何件かの物件を車で案内してもらう中で、ようやく一軒の家と出会えました。
緑の香りが心地よく、車の音もそこまで気にならない環境でした。
駅までは遠く感じましたが、実家に比べたらいくらもマシに感じましたし、その分、一戸当たりの土地の広さが申し分なく、広い庭で簡単な菜園ができそうでした。
生活環境としては十分整っていましたし、古い家に手を入れていくのも楽しそうだと感じました。
遮熱塗料を外壁に塗り、室内には珪藻土を使用したり、古いなりに快適な仕様にしていこうと夢が膨らみました。
休日の度にホームセンターに通い、一つ一つ仕上げていく作業はなかなかの長丁場でした。結果として車も購入することになり、生活の幅はより広がっていきました。
今では仕事とアパートの往復ではない「仕事も家も、生活の中にある」一体感のようなものを感じています。
こちらに出てきている友人を招くことを夢見て、今日もタイルを貼っています。
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